幼保無償化制度からの朝鮮幼稚園をはじめとした外国人学校幼稚園除外は、子どもたちの学ぶ権利を侵害したとんでもない差別。除外された家庭も等しく負担している消費税増税分を財源にしていることをみても、その不当性がよくわかる。
 この制度からは朝鮮幼稚園だけではなく、同じく各種学校認可の外国人学校幼稚園も除外されたが、問題の本質は日本政府による「朝鮮学校つぶし」にあると言える。JR定期券問題やインターハイ出場資格問題、そして近年では高校無償化制度からの除外。すべて民族教育の権利を認めようとしない政府の一貫した差別政策で、幼保無償化からの除外もその延長線上にある。
 昨年、幼保無償化を求める「100万人署名運動」が始まり、平和フォーラムでも発起人として幅広く賛同を呼び掛けた。「ぜひ賛同したい」「子どもたちへの不当な差別は許せない」などの声が寄せられ、快く賛同をもらった。
 運動を通じて一筆でも多くの署名を集めることが大事だ。しかし、より重要なのは幼保無償化から外国人学校幼稚園が除外されたという事実をより多くの人々に知ってもらうことにある。日本の市民たち、ましてや教育に携わる教員や国会議員の中にもこの問題についてよく知らない人たちが多いのが現状だ。地道に運動を続け、世論をより喚起していかなければならない。
 地道な運動を継続していけば、やがて「つながり」が生まれる。
 12年5月、高校無償化問題をきっかけに結成された「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」もはじめは小さな組織だったが、各地の朝鮮学校支援団体が少しずつつながっていき、大きな連帯の輪となった。コツコツと積み重ねた活動の中で培われた連帯の力は、われわれの運動において大きな財産だ。一人ひとりの力は小さいかもしれないが、多くの市民らがつながり、一つにまとまれば大きな力になる。
 日本では幼保無償化のみならず外国人労働者の問題など、マイノリティーの人権が侵害されている問題が数多くある。マイノリティーの人権を守らない国に明るい未来はない。幼保無償化の問題は日本人の問題、日本社会の問題。日本におけるあらゆる差別や偏見をなくし、平等に人権が保障される豊かな多文化共生社会を築いていくことは、私自身の目標でもある。
 日朝市民の連帯の力で「100万人署名運動」をより活性化させ、朝鮮幼稚園をはじめとした外国人学校幼稚園への幼保無償化適用を必ず実現させよう。

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藤本泰成さん

(フォーラム平和・人権・環境共同代表)

© 幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会

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