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朝鮮幼稚園への幼保無償化を求める関係者たちの活動は、昨年夏から不断に行われてきました。

仕事を調整し要請に初めて参加した保護者や、まだ幼い子どもの手を引き集会の場に訪れた保護者など、昨年以降、支援の輪がどんどんとひろがるその中心には、朝鮮幼稚園教職員や保護者をはじめとする人々のたゆまぬ活動があります。
関係者たちはあの時、何を思ったのか。彼彼女たちの経験談とともに率直な思いを紹介していきます。

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つなぐ経験

~関係者たちはあの時、何を思ったのか~

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私が子どもを朝鮮学校で学ばせている一番の理由は、大人になったときに日本社会で朝鮮人として堂々と生きていってほしいからだ。数年前、日本の幼稚園に子ども送る在日の母親が「在日であることを子どもに伝えることが怖い」と泣きながら話していた。何の引け目や後ろめたさもなく、日本で朝鮮人として育つには民族教育が本当に大事だと痛感した。子どもたちは朝鮮学校でたくさんの仲間たちや先生方、日本の方々に支えられながら朝鮮人として成長している。私は祖父の代から守られてきた大切な財産である朝鮮学校や在日朝鮮人のコミュニティーをこれからもしっかりと守り、後代に渡したい。

横浜初級オモニ会会長・安春姫さん

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小学校から大学まで朝鮮学校に通った。情勢や経済状況が苦しいなかでも朝鮮学校に送ってくれた両親にとても感謝している。私も両親同様、日本で生まれ育ちながらも、自分のルーツを知り、誇りをもって立派に生きていってほしいと願い、子どもを朝鮮学校に送っている。私が高校生の時、大学受験資格の問題があった。現在、高校に通う息子は高校無償化問題の当事者だ。そして今回、幼い幼稚園の子どもたちまで差別の対象となった。日本社会が望むグローバルな人間というのは多種多様な社会環境の中から育まれていくのではないか。多種多様な社会を目指すといいながら、幼保無償化から外国人幼稚園を除外するのは明らかな矛盾だ。

幼保無償化を求める長野朝鮮幼稚園保護者連絡会代表・申賢麗さん

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私が子どもたちを朝鮮学校に通わせるのは自己肯定ができる人に育てたい、朝鮮人として育てたいという思いからだ。昨今、朝鮮学校に通う子どもたちは、国の公的制度から除外という言葉を突きつけられるたびに、委縮し差別に敏感になっている現状がある。朝鮮学校に通う子どもたちは、日本で生まれ、日本で生きていく子たちだ。にもかかわらず、差別を受ける対象に自分たちがなっていると自覚せざるを得ない状況にありとても悲しい。これまで各地から朝鮮学校の保護者たちが何度も要請をしてきたが、私たち保護者は、無償化が適用されるまで要請に出向くだろう。

栃木初中オモニ会会長・李慶惠さん

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私は、学園理事を務めているが、休校中の茨城初中高付属幼稚部を再開させるという夢をもっている。それは、同幼稚部の卒園生として、当時培われた民族的アイデンティティへの自負があるからだ。今後生まれてくる同胞児童たち、そしていま茨城地域に住む学齢前の同胞児童たちにその経験をさせてあげたいと思っている。先日、来月2歳になる息子の待機児童問題で、市役所に出向いたが、学校を運営する立場としても、もしも幼稚部があれば、そういう同胞児童らの受け皿にもなると感じているし、仮にそのような状況になれば、いま幼稚部を持つ地域の関係者たちと同じような状況に置かれるかもしれないという危機感を抱いている。もしも、この問題の核心が差別であることが伝わっていないのであれば、日本政府や行政の人々は、(私たちの声が)一市民の声であることを自覚しもう一度しっかりと聞いてほしい。

茨城朝鮮学園理事・金玄虎さん

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自治体の支援が調査事業の前提条件になっているので、大阪の朝鮮幼稚園は入り口から入れない。市役所などを訪ねても窓口がなく、たらい回しにされてしまう。かつて阪神淡路大震災では同胞が日本人たちと支え合い、困難を乗り切った。われわれも社会の一員だ。朝鮮学校に通う子どもたちは、よりよい社会を築く地域の財産。朝鮮幼稚園を幼保無償化の対象として適用してほしい。

大阪民族教育対策委員会副委員長・金政義さん

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学校の75年の歴史で忘れてはならないことは阪神淡路大震災。震災時、私たちの学校は避難場所となり同胞や日本の方も避難した。地域の方々と励まし合いながら苦境を乗り越えてきた。あなたがたとは国籍が違い、歴史が違う。しかし認識の違いや、大人のしがらみに、何も知らない子どもを持ち出すことは大人として恥ずべきこと。子どもに矛先を向けないでほしい。

神戸初中オモニ会会長・周一花さん

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各省庁へ要請に行き除外理由を聞くと、「朝鮮学校だからと言って排除はしていない。各種学校認可の外国人学校は…多種多様な教育をしているから」と理不尽な「基準」で従来通りの説明を繰り返すばかり。担当者はしまいに下を向き目さえも合わさない。正直、言いようのない憤りと虚しさが入り混じる。しかし、いつも自らを奮い立たせ、諦らめてはいけないと、前向きな思いになるのは、ウリオリニとウリハッセン(私たちの子どもたち)がいるからだ。そして仲間たちも。必ず子どもたちにチョソンサラム(朝鮮人)として生まれたことを誇りに思って欲しい。だから、どんな差別にも屈せず、権利が保障されるまで闘うのだ。尊厳を踏みにじられっぱなしなんて有り得ない。

幼保無償化を求める京都朝鮮幼稚園保護者連絡会代表・鄭英姫さん

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「幼保無償化」という文字を見るたび、気持ちが沈む。あぁ、ウリ(私たちの)園児たちは、また除外、まだ除外。いつでも枠の外。西東京第2幼稚班(東京都町田市)では、幼保無償化が開始される昨年10月より前から、町田市役所に要請活動へ行き、要請文を提出し、記者会見を行うなど、積極的な取り組みを行ってきた。院内集会や、国会議員との接見などにも代表が赴き、その都度幼稚班の保護者全体で、感想を共有した。悔しい経験も、小さな進展への喜びも。この運動は、誰か1人の力では決して推し進められない。みんなで推し進めるんだ。止まってはいけない。ウリ幼稚班では、小さくても歩みを止めず、みんなでこの運動を良い方向へ進めて行けるように、これからも動いていく。

西東京第2初中付属幼稚班保護者・梁淳喜さん

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昨年10月、幼保無償化が始まってから私は、朝鮮幼稚園への無償化制度の平等な適用を求め、国の関連省庁や自治体、国会議員への要請活動に参加してきた。その間、私が感じたのは、外国籍であっても納税義務を果たす以上、日本の方と平等に権利を享受する事ができること、朝鮮幼稚園は子どもたちが朝鮮という母国を持ち、日本で誇り高く立派に生きる為の唯一無二の素晴らしい幼稚園であること、この2点を再認識した。ただし担当者の返事はいつも「持ち帰って検討します」と受け流すだけ…何も変わらないこの現状にじれったさで一杯だが、子どもたちの未来を守る為、今出来る事を精一杯したいと思う。
そして将来も子供どもたちの存在や人格が傷つけられる事がないよう、より多くの方々へ民族教育の素晴しさを伝えていけたらと、強く感じる。

埼玉初中付属幼稚班・金淳華さん

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