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柳澤徳次さん

(日本朝鮮文化交流協会理事長)

 私は戦前に生まれ、戦後、兄が学校の先生をしていた。小学校では日本の鉱山で働いていた朝鮮人の子どもたちと一緒に勉強した。子どもたちは学校が終わるとみんなうちに来ていた。兄からは「お前は朝鮮の人と仲良くしなきゃいけない」と言われてきた。だから日朝文化交流協会に発足(1972年)当初から関わってきた。
 朝鮮と交流する運動に入ったのは、私が左や右、真ん中だったからでも何でもない。私は北も南も区別することなく、隣人と仲良くしないといけないという、その気持ちだけがある。
 私はイデオロギーも何も持っていない人間だけれど、隣の人、隣の国と仲良くするということで協会をやっている。朝鮮だけ仲良くするとかではなく、ただ隣の国と仲良くしないと、日本と朝鮮が友好的な関係を築かないと、アジアの平和も世界の平和もない。
 在日朝鮮人も日本人も、様々なスタイルで幅のある交流しなければいけない。国と国の関係は外交政策次第で、私たちはその影響を大きく受けてしまうが、根気強い交流を続けていくべきだ。
 幼保無償化問題に関しては、各種学校認可の朝鮮学校は貰えていないことは、差別しているという事だ。在日朝鮮人も日本で住んでいるのだから、日本人と同じ。朝鮮学校の教育のやり方はちょっと違うだろうけど、算数とかはみんな同じ。
 それぞれの国にはそれぞれの事情がある。それを乗り越えて話し合っていかなければいけない。消費税もちゃんと払っているし、一世、二世も苦労して日本に住んでいるんだから。いろんな意見があるけれど、それを乗り越えて差別はダメと、私は言いたい。これから貰える、貰えないという問題もあるけれど、この話を広めていかなくてはいけない。朝鮮の肩を持つとかそういうのではないが、日本国民として、差別は良くないと思う。
 無償化問題を乗り越えるには、道のないところに道を作る必要がある。フロンティア精神でどうしなければいけないかを考えなければ。けれど難しい問題じゃない。日本人だけじゃなく、朝鮮人も一緒になってお互いに話し合うしかない。だから隣の人と仲良くしなければいけない。
 そのためにも日頃の交流が大切だ。幅広い交流を続けること。あんまり視野を狭めるのもよくない。賛成の人、反対の人も含めてとにかく平和的な話し合いと交流をしていく事がアジア、世界の平和に向かう。その過程に幼保無償化も解決するはずだ。

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